ギョメムラ

複数のコンテンツをミックスして感想を書きます。noteもあります https://note.com/8823kame

実質ジョーカー(ブログの方針)

 

2019年、映画『ジョーカー』が大ヒットを収めました。

 

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同時に、他の映画の感想においても「実質ジョーカーみたいな話」という声をよく聞くようになりました。

 

moviewalker.jp

togetter.com

cinema.ne.jp

 

この流行は個人的にはあまり良く思っていませんでした。

もちろんTwitterの140字以内で映画を宣伝しろと言われたらそう書く方が伝わりやすい場合もあります。ただ個人のレベルでも「感想のテンプレ」に囚われると思考の部分まで140字以内で終わっちゃうようになるんじゃないでしょうか。なんか似てるシーンがあるとか、なんとなく鑑賞後どんよりするなーくらいで安直に「実質ジョーカー」と言うくらいならロボットでもできます。僕は間違い探しの結果発表よりもねばついた個人の感想のほうが好きです。

 

一方で、「表面的には全く異なる映画なのに共通点がある」事実に単純にワクワクする自分もいます。

精神分析学者であるユングが提唱した「集合的無意識」という心理学用語があります。

この概念は「何千年前から脈々と受け継がれ、全人類が無意識下で共有しているイメージ」を指します。例えば「聞き心地のいい和音とそうでない不協和音がある」「カ行は角張ったイメージで、マ行は曲線的なイメージ」といった感覚は世界共通だそうです。これらは後天的な環境の影響ではなく、集合的無意識の効果であると言われています。*1

ユングがこの理論を思いついたきっかけは、世界各国の神話に共通点が多すぎるからでした。彼にもきっと「ギリシャ神話って実質日本神話やん」と考えたタイミングがあったのでしょう。神話に共通点があるのは偶然という説や、そもそもアフリカ等に原作がありそれが伝播されたからという説もあります。しかし、そのどれもまだ立証されていません。

ロマンを感じるので僕はユングの説に乗っかりたいのですが、彼の主張に沿うならすみっコぐらしにジョーカー的な要素が見出せるのは当たり前です。なぜなら人間が作った話には全て「集合的無意識」という共通点があるからです。

ただ、具体的にどの部分に共通点があるのかを真剣に考えれば結局は人間的な境地にアクセスできるとも考えられないでしょうか?

 

このブログでは単純に見聞きしたものの感想を記していくのではなく、「複数のコンテンツに同時に向き合うことで人類普遍の要素をあぶり出す」試みに着手する予定です。すごい壮大な発言をした気がしますが全然大したアレじゃないので安心してください。

例えば僕はぺこぱの松陰寺太勇とシザーハンズのビジュアルが似ていると感じています。それだけなら偶然と言えるでしょう。ただもっと深く考えると、彼らは「人を傷つけないまま笑顔にしなければいけない」という十字架まで似ていると気付きます。なんかワクワクしてきませんか?しませんか。僕はこれに気づいた時どうしようもいられなくなってとりあえず絵を描きました。

 

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こんな勢いで、「SF映画と胸キュン映画」とか、「B級ホラーとお料理動画」「ラブソングの歌詞と学術書」とかに親和性を見つけたらその勢いで記事を書いてみようと思います。すでにいくつか下書きに溜めてるのですが感想というより自由研究みたいになりつつあります。星つけたりとか過剰な誇張で異常に批評したりは好きじゃないのでしません。結果それに近い形になることもあるかもしれませんが「ヒット理由の分析」とかも興味はないです。

 

あと私事ですが、僕はもうすぐ社会人になる大学生です。なのでこういう発信の場を少しでも残してどっかの映画みたいな「パズドラしかできなくなった大人」にならないよう悪あがきしていきたいとも考えています。秒で飽きたらすみません。

 

*1:僕はこの用語を『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃!』で知ったので記述に間違いがあったらすみません